服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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原田泰治の世界展

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原田泰治の世界展(4月6日~5月6日 佐賀県立美術館 佐賀新聞社主催)の会場式に行く。
美術に造詣の深い中尾社長はデジャブをよく使われる。
美術館長は新しく女性のかたであった。
原田さんはお見えでなかったが、4月22日のサイン会には来場するとのメッセージが披露された。
中島潔展、安野光雅展につづく故郷シリーズの原田泰治の世界展である。
原画を見るのは初めて。
キャンバスと紙にアクリル絵具で描いてある。
丹念な描写で、色彩が無垢に明るい。
幼少期の世界観であろう。
なつかしい風景の中に遊ぶ子供、働く人々、農作業の機械、物を売る人らが、風景の一つとし大切に挿入されている。
風景の中に人や作業機械が精細に描きこまれている。
雰囲気ではない。どんな道具を使い何をやっているのかという生活そのものの実写とも言える記録に近い。
原田さんとしてはなつかしいとかいう風景ではないのである。極当たり前に人と共にある風景であるにちがいない。
そこがまた他の画家さんたちと違って、なつかしいからでもなく心地よいのである。
描法としては、線描、点描であり、塗るという面的筆致は基本的にはない。
線描、点描がどこかに山下清の作品と重なっても見え、山、森の表現においてはは奥が深く、ルソーの森のようなすご味がドーンと鎮座して、人の営みに寄りそうスケールとしての神々しさになっている。
絵画としての強さを内包するイラストと言えば失礼だろうか。だとしたらイラストたらんとする絵画である。