服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

tomatotiger8.sakura.ne.jp

Space Lee Ufan


イメージ 2
イメージ 1

イメージ 3
ペグゥ先生夫婦が、車2台で今日もまた迎えに来てくれていた。
まさか李 禹煥(リ・ウーファン、Lee U-Fan、이우환、1936年 - )リーウーファン展を韓国で見られるとは思わなかっただけに、最大のたのしみであった。
さぁ、釜山市立美術館へ Let go 。
先に美術館のそれぞれの部屋で行われている個展を見る。
フロアーの両サイドに部屋が並び、物故作家サイドと現代作家サイドに分けてある。
現代作家サイドは平面抽象の大作ばかり。物故作家サイドは韓国の風景や昔の韓国の生活や子供たちの写真など、土門拳とイイ勝負だ。
やはりおもしろいのは、メッセージせいのある現代美術(作品)である。
併せて10人ぐらいの作品を見たことになるが、どれもダイナミズムで刺激的だ。
美術館のカフェでコーヒーブレイク。そこから中庭にリ・ウーファンの作品が3点見える。中庭の作品と対話しながら目の前の別館・Space Lee Ufan へ入る。
見覚えのある自然石と鉄板、鉄棒を使った「関係項」シリーズが各部屋に心地よい空間を生む。例のキャンバスに顔料を幅広の刷毛で描いた1974年ごろの「線より」「点より」はなつかしく興奮した。そして2015年の作品はというと、部屋の壁や床に作った泥面に直接、50㎝ぐらいの特大刷毛で描いてあるのであった。
作者はプサン近くの南道の出身で、日本の大学で学び日本暮らしも長い。
韓国と日本の自然感覚がアウラとして同居し、自然の石と工事現場の鉄板が置かれるとそこに派生する関係は、緊張しながらもある種の原初的感覚を生む。
自然と人間のかかわりは観念的、哲学的でもあるのだ。
日本では”もの派”のパイオニアでもあるが、新たな概念と同時に思想家でもある。日本の作家の多くは少なからずリ・ウーファンの啓示なり影響を受けている。
それに比べ韓国の現代作家たちはと来たら意外にもそれが薄い、と思うのは思い過ごしかも知れないけれど・・。
そう言えば瀬戸内の直島にも野外のリ・ウーファン美術館がある。