服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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箕浦裕展 川副田園の郷ぎゃらりー

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現在開催中の箕浦裕展(川副支所田園の郷ぎゃらりー)。
6月に見ていたけれど、感想が遅くなった。
氏はモノトーンの駅シリーズを長いこと描いている。
二紀展にも出品している。
一時代前の駅の郷愁のような情景にも見えるのだが、現代(今)の視線である。
駅はまた郷愁であると同時に出発、別れ、哀愁、悲哀、孤独、孤立、出会い、希望と人間の業のような性を味わうところなのであるのだろう。
ベンチにごろ寝する男もホームに佇む男もアジサイ、佐賀の風景をもひたすらモノトーンで描いている。
荒い筆致で吐き捨てるように描き続けられるとは、内包する駅のイメージが相当広く分厚いのであろう。
最近作では抱擁する男女が死にそうなくらいに描かれているのである。
きらびやかな現代をそのまま見るのではなく、郷愁を通し漠とした時代の始まり、(それこそ白地のキャンバスの始まり)を懸命に歩んでいるのだろう。
百分の一というの現代の表層が新たな思想、方向を生むこともあろうが、
物理的差異の時代に翻弄されることはない。現実も多くが虚構であるからして。
時には内省ではなく外省(?)や脱走を図りおもしろがってもイイのかもしれない。いずれにせよ人知れず闘い遊ぶ自分であるだけ。