服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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裸の島/殯の森/ドンキホーテⅡ

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CSで河瀬監督の「沙羅双樹」とキース・フルトンルイス・ペペ監督の「ロスト・イン・ラ・マンチャ」があってたが、重なっていたので「ロスト・イン・ラ・マンチャ」を見ることにした。「ロスト・イン・ラ・マンチャ」(’02)はハリウッドの鬼才・テリー・ギリアム監督が「ドンキホーテ」の撮影に入り中止になるまでの撮影現場舞台裏といったもので、現代のA級映画の背景とノウハウが見て取れる。となると主演は・テリー・ギリアム監督自身でありスタッフであり、ドンキホーテ役のジャン・ロシュホール、タイムスリップしてきた広告マンにジョニー・ディップということになり、出演交渉から契約と様々に準備が始動していく。総制作費・50億円。天候に左右される砂漠のロケの難航とジャン・ロシュホールの持病悪化で入院に日数と予算がどんどん飛んでいき、様々の保険会社の介入となり撮影無期中止へと追い込まれるまでのメイキングのようなドキュメンタリー。現代のA級映画の挫折と顛末。映画「ドンキホーテ」はこうして作られなかった、という映画では?と勘ぐってみるが、事実の映像なのである。未完のままに終わっているというところが類がないが、是非見たくなる未完の一品である。過去にもドンキホーテ映画のほとんどが撮影半ばで災いにたたられ、中止に追い込まれたらしい。それからすれば「アラビアのロレンス」の完成は驚異的である。