服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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新宿春歌考

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昨夜の闇の淵から聞こえてくるような猫たちの騒動は、夢ではなかった。真夜中の猫たちの悶絶ごっこであった。恋の季節でもあるのだろうが、クリニックではぐったりとウツになった人たちが目立つ。


「 新宿泥棒日記」(1969年 監督:大島渚 出演:横尾忠則 横山リエ等)があってた。 当時の時代を唯一敏感に反応して描いていたのが大島さんである。唐十郎はじめ、赤テントの状況劇場が出ていたのさえ忘れている。判らないままにヌーベルバーグの旗手とはやされた大島さんに共感していた感覚だけが蘇る。出演者のほとんどが、今尚、第一線で仕事している。大島さんだけが、ご病気のようで、表現の”なんたるか”が現に生々しい。


「日本春歌考」(1967年 監督:大島渚 出演:荒木一郎等)も当時の自分たちに重ね合わせて共鳴したもので、呑んでは、臆せず、小皿たたいて”かしわの鳴くまでボ○しゅるたい~”とわめいたものである。わめきの果てに海外が見えてきたのもボクには必然。新宿騒乱も遠い遠い日の幻想か?!変わらぬものは猫の悶絶。今となってはもう遅い。なつかしさでもなく、あんなうっ積したものの上に自分が創られて来たことだけは、否定も逃れもできず、今さらイイ子ぶることもできない。だから、まだ仮面かぶって生きております。