服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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作品がしずかに語る時

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作品を枠からはずしロールにしていたり、重ね合わせていたりで十数年。汚れはともかく、ヒビ、剥離、変色、化学変化、物理的変化は完成時の姿を知るものからすれば悲惨だ。ある意味その時点では見捨てた感がなきにしもあらず。許してね・・。その時は、駄作、失敗とおもえた作品でも、意外や、それとは逆。未熟さや考えの薄さはあっても、嘘は言ってない。また、それらの傷、破損が時間という味を加え、新たな作品に進化したと見えないこともない。宇宙船のカプセルに冬眠していた宇宙飛行士が数年の眠りから覚めるのだが、実は数十年の時を経た顔に変貌し衰え崩壊していくシーンのようだと・・。究極には完璧さしかなかった当時からすれば、自分も変化したのだ。当時の不満の原因が今明らかになっていくように、傷つき汚れた作品がボクの前に立つ。過去の作品を見るというのは、その時は見えなかったものが見えてくるということ、描き進めただけの情報や英知が潜在しているようだ。大作60点あまりのビデオ撮影と写真撮影がひとまず終わった。長い日数がかかった。カメラのフレームから覗くごとに個展をしているような空間に突入していた。やはり、自分が創りだした作品はないがしろにできない。思い入れ以上に責任がある。意志をもった命と言ってもイイ。