服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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マイクロポップ

朝出て、昼には品川の閑静な住宅街を歩いていた。真夏の日差しに日陰が欲しい。車も通らない細い道(日曜日には品川駅からシャトルバスがでているというが・・)に突然美術館があった。一度は訪れてみたいと思っていた原美術館である。洋風な年代物の建物で、こんもりと樹木が覆っている。庭には60年代の日本人作家らの石、金属の立体物が置いてある。「ウインター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」が開催中であった。作品からも名前も知らない若い作家たちであることは判る。どれも上手でしょ、とも言わず、現代美術、ビジュツしてないのである。子供のころの遊びに引き戻されて行くような意味のない空間に共感するところはあった。”反”現代美術的でさえある。「マイクロポップ」とは、聞きなれない言葉である。「美術評論家松井翠氏の造語で、様々な情報やイメージの断片を組み換えて、新たな視点や行動の方法を構成し、時代遅れで凡庸な事物や場所に新たな用途を与えてその意義を再生させる芸術表現の方法を意味している。」とリーフレットにはある。新しい、古い、上手、下手というのではなく確かに新鮮な感覚であった。これも美術のある方向であろう。