服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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塚本猪一郎展

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クリニックの絵画もたのしいうちに時間となりました。
塚本猪一郎展(ギャラリーふじやま12月1日まで)に寄る。
0号から10号ぐらいまでの作品が並ぶ。
それでいて1点1点が大小を感じさせない面構えをしている。
人格をもっているとでもいうようなもの。
ボク流にいえば作品の持つ時間が厚みを増したような。
剥離、風化し消えていくのか、どこからともなく現れ出ものなのか。
時間の置きかたに由来するもののようだが、作者の制作過程の違いがあるのではなかろうか。
画面内部への時間の誘いが、ここに来て画表面に停滞し奥じゃなくて、見る側、前面へと向けられている。
コラージュの変わりにマスキングでホワイトを乗せエッジを強くしている。
褐色の絵の具でグラッシュしたりふき取ったりを繰り返す。
その上に野太い黒い点や線が這う。この黒で調整するというのではなく、黒は黒としてそこに在ったもののように留まる。
あみ出したいろんな黒が黒子ではおさまらず主演者にもなる。
すべてが本来の同一平面のタブローにおさまった訳だが、こうも勢いよく見えるものなのか。
風は雲に、雲は不定形に。めまぐるしく千変万化する時の移ろいを断ち切るかのように2013年、キャンバスの表面より入る。