塚本猪一郎作品展
「塚本猪一郎作品展」ギャラリー久光。
恒例の「シルクスクリーンカレンダー2011」の発表と販売を兼ねた個展であるが内容は、新作タブローの作品展。
白抜きが完全にきえてる。
風化した時間を集積したかのような平面(壁)に塚本タッチのユニークな形体がカラフルを装う。その背後にも余白の空間はない。
余白の抜けるような白に変わって形態が原色となって現れた。
ミロ的色調といってもいいが、従来の余白のある作品が明るくはある。
時間を帯びた壁の断片の上でカラフルに形体が遊んでいる。
やはりミロだ。
外的直観と内的ドグマがバランスを取ろうとしている。
従来の作品にも同じことは言えるのだが、内面への比重が数年前から徐々に強くなってきたとおもう。
年齢というよりは絶えずあきたらず次が見えてきたのだろう。
絵画は平面であるとはポスト後期印象派の思想である。
画家はそのさわやかさと明快な洗礼をどこかで受るものである。
この時代でどの表現が残るかは、後50年を要するだろう。
それだけに、今見えてる世界、現実は見えない。
だけに日々挑戦をするのだろう。