服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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ハイレッドセンター

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寒い。まだ雪が残っている。
渋谷bunkamuraから坂道を上ること7分。
渋谷区立松涛美術館がある。
ハイレッドセンターの軌跡”
入場料300円。60歳以上無料。実に文化やってる。
イイ展覧会が多い。
高松次郎赤瀬川原平中西夏之の頭文字でハイレッドセンターになるわけだが、オリンピックに沸く東京を舞台に、過激な路上ハプニングや反芸術的なプロジェクトを展開した。
当時は牛ちゃん(篠原有司男)のネオダダがあり、大坂の”具体”、福岡では九州派などなどの若き芸術家たちが独自の前衛活動を展開していた。
その時代の記録である。
周辺の写真、映像、音楽の作家たちも巻き込んだ芸術運動の記録である。
作品だけでなく、徹底した記録と、保存を当時より遂行し、その結果が、ここでのハイレッドセンター展であるという用意周到な先を見越した計画がある。天才とまで言われた高松次郎(故人)氏の策略であると考えるが。
その後ほとんどのグループが海外脱出を図るのに対しこの3人は国内にとどまったというところにも謎めいたヒントがありそう。
物体としての作品はそれぞれに美術としても優れたものであり、その葛藤に現れるものが日本の現状という反芸術的名路上ハプニングであるが、アメリカの動向を抜きにしてはなかった活動でもあったろう。
その時代の観客も多いがそれ以上に若い人たちが、うれしそうに大量な写真などの記録に見入っている姿は希望であるが、同時に高松次郎さんの戦略にも見えて来るのが切なくも天才である。