服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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ターゲット

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田んぼや潟を徘徊していても、ダイヤモンドを拾おうこともなければ、新しい発想が湧いてくるものでもない。 ダイヤは泥にまみれて転がっているのかも知れず、発想のヒントもまだ、見えないでいるのかも知れない。 のんべんだらりとした佐賀の風景なんて描きたくもなかったのに、アトリエにいるのが苦痛になってからなんとなく描き始め5,6年が経つ。 何もしてない不安さよりは描いている方が救われる。 若いころは呑んで、パチンコして、その合間に描くという時間配分だったが、それでも集中し強烈にやれた。 遊びほうけて呑んでばかりで、絵など描かぬ時期もあった。 「記憶の風景」だけが締め切りもあるので、幸いにも23年間続いた。しかし、ごまかしているようなキツイ時間でもあった。 みつからないのだ。びしっとターゲットがつかまらず、捕まえたとおもっても直ぐに焦点はぼやけてしまう。 大詫間の橋の下にいた。そこだけが言わば日陰だ。 乱反射する川面と空のまぶしさに全ては見透かされ、それでもよろしく。 たのしんでいるように見えるも焦点は消点のまま。あるがままを肯定的に耐えるだけ。「こんな風景、描きたくない」とお手上げ状態に早くなりたい。 モンドリアンは雲をピンクに幾何学的に分解した。 ゴッホはひたすら景色を描くも、何も掴めず、耳を切ってゴッホになった。  クリニックのみなさんの絵には現代美術のもろもろの地平がのぞく。 いつもより今日も合評会がながくなった。