服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

tomatotiger8.sakura.ne.jp

武士の一分

イメージ 1
夜「武士の一分」(監督:山田洋次 2006年)を見る。 「寅さん」同様、リアリティーにこだわらないセット撮影だが、出演者全員が好演、熱演である。 木村拓哉、その妻・檀れい、下男・笹野高史、毒味役頭・小林稔侍、剣道指南・緒形拳がよかった。 ラスト、飯炊き女(実は妻)との再会の前のシーンがこの映画のすべのようにスゴイ力をもっていた。 盲目の侍・木村拓哉と下男・笹野高史、二人が蝋燭の灯る部屋にある予感をもって座している。 中世の絵画のようでも、舞台劇のようでも、一触即発の核の内部のようにも集中と緊張感が恐縮した魂の映像・ショットであり、山田監督に泣けた。 黒澤さん亡き後、日本映画の牽引はまだまだ山田監督に負うところ大のようだ。 家に帰って、流れてた「007・トゥモロウ・ネバー・ダイ」のアクションが箱庭のように見えるのであった。