服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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東京物語

NHK BS3で「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~家族編」がはじまった。
以前、映画評論家の西村雄一郎さんと映画の話をしていて、「服部さんは”東京物語”どうおもわれますか・・」ということで「最初(若いころ)見た時は、何でこんな単調のんびりがイイ映画といわれるのかわからなかったが、
それなりの歳になって、改めて見ると確かにイイのよ・・」と返答したのだが、西村さんも「そうですよね・・」と似たような感覚であったことを思い出す。
山田洋次監督もそうだったようで「”東京物語”には興味なく、やれ”七人の侍”だ、”椿三十郎”だった・・」とそして「いつか黒澤さんの家に遊びにいったら、黒澤さんが東京物語のビデオを腕組みして食い入るように見ていらした・・」とそのギャップの驚きをうれしそうに話されていた。
黒澤さんはその姿を山田監督に目撃させ、証人としたかったのではと思える場面でもある。
デジタル処理されきれいになった”東京物語”は改めてよかった。
カメラがやたらと動くプリミティブな今の時代に、カメラを固定し一点から狙う不動の構えは、ぶれない制作者の思想であろう。
役者をどう動かすかである。そうやって見て行くと実におもしろく、決められたフレーム内での映画創りの基本を見るようである。
海外の多くの映画監督が小津さんにあこがれ手本とするのも判るようだ。
先般見た小林政広監督の ”春との旅”も”東京物語”を下敷きにしているのは、明らかである。
山田洋次監督も小津さんへのオマージュから近々か東京物語のリメーク”東京家族”のクランクインだとか・・。脚本も完璧で時代的修正以外はそのままで、今年12月、公開予定だそうです。