服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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第20回・ハチロク・アンデパンダン展

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 「ハチロクアンデパンダン展 」県美術館。101人の絵画、立体、工芸等々がところ狭しと並びにぎやかである。書家の野中瑛硯さんの大きな絵馬は「世界で活躍するスポーツ選手や芸術家は大きな夢をもっていて努力した人たちあきらめないことが大切です 瑛硯」と書かれ、その文字の輪郭が線刻されている。全体に遊び心があふれており、おもわずほほえましくなる。書が気ままに遊んでいるよう。20回記念ということで、県外の作家・10人ほどが招待されている。その一人・アバンギャルドに肉感的に戦後を見つめられてきた池田龍雄さんのグレーな絵画4点は圧巻。エロスのうめきと惨殺の叫びを背後に肉感的なグレーなテクスチャーが時空そのものに見えてくる。戦前戦後を通した自分の居場所、時代というものを皮肉を込めて見つめ直されているよう。この会の代表でもある小野天山さんは、カーテンやむしろを張り付け、その上にびっしりとカラフルな絵の具をぶちまけてた大作。60年代のアンフォルメルを生きてこられた若き日の血が尚熱いようだ。廣末勝己さんの抽象、武藤三恵子さんの表現も光っていて、みなさん会派の垣根を越え表現をたのしんでいらっしょる。今一番おもしろい展覧会グループのようだ。展覧会の在り方を考え直される展開であった。島日出夫さん土師一也さんら故人となられた方々も多く、懐かしく見せてもらった。