服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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イル ヴェント

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新しく用意されたフェリーに降りる人もなく全員が再び乗り込んだ。
今度も運転席の横にいたがスケッチはしない。
パイロットの男が前の席はは波の振動がきついですよとうながし、おもしろくもありますがと付け加えた。
ふしぎなもので大変な目に遭わせられたのに、仲間のよな気(ストックホルムシンドローム?)になるものである。
異常に気付き船上を飛び回り活躍した船員が金庫を下げて全額¥1300の払い戻しをしてまわった。
ジャージーの駐在さんは「それはいけない・・」と受け取らず、船長と呼ばれる男と談笑しているのであった。
おかげで、犬島へは行けなくなったが、1時間で豊島に着いた。ここで降りることにする。
「ご迷惑をかけました」と下船を見送るクル―にお客は「ありがとうございました」と答えていた。どこかで東北の震災が重なっているような・・。
駐在さんはサンダルですたこらと真っ先に漁村に消えて行った。
漁港の前にある唯一のカフェレストラン・いるヴェントでハヤシライスを食べる。
このカフェも民家を外内と全面的にカラフルにデザインされている。
海外アーティストの作品のようだ。
カフェの二階から漁船の停泊する港が見え、船で作業する老人に土地の老人が一人二人と寄って来て、ジェスチャーを交え指をさし、どうやら漁業の話をしているようだ。その周りに今度は猫が3匹寄って来るのであった。
さっきの事件がまぼろしにもおもえたり、どこでも人は交わり生きている。